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Wonders of Sky




RUMORS
ジャンボのバッテリーはジャンボサイズ?
ボーイング747の電気システムには大きく分けて2つのバッテリーが装備されています。ひとつは胴体後部にAPU(地上でエンジン停止時に電気と空調を供給する補助動力装置)を始動する為の物、もうひとつは飛行中、発電能力を完全に失ってもある一部の計器や装置などにバックアップの電源を限られた時間だけ供給する為にあります。ふたつとも24ボルトの同型のバッテリーですが、実際の大きさはというと自動車の物と大して変わりません。
地球半周の通勤?
自社又は他社の客室にごく限られた制約のみでほぼ自由に便乗できる特権はアメリカの乗員生活には不可欠であるでしょう。効率よく全国のベースに配置されるパイロットやフライトアテンダントは半強制的な仕事場の移動も多いのですが、居住地からベースまでコミュートと呼ばれる空の通勤も容易く、ベース地に住居を持たない人々が半数近くいるのではないでしょうか。中にはヨーロッパから米国内のベースまでコミュートする長距離組みもまれにいます。
フライトバッグは14キロ?
黒くて重そうなパイロットバッグは本当に重い。中身はと言うと、マニュアル4冊、チャート2束、懐中電灯、計算機、ヘッドセット、コンパス、ミニ工具、耳せん、かっぱ、蛍光ペンなどなど。私の秘密兵器はカフェイン入りガム、マスキンテープ、はさみとコルクの栓。使い道は秘密兵器だから秘密。あと多くの人が「乗員食修理キット」なる物をかばんの奥に忍ばせている。人それぞれで、私の場合はタバスコであるがチューブ入りワサビのファンも米国人クルーの中には多くいる。
若いフライトアテンダントはどこ?
アメリカの航空会社のパイロットやフライトアテンダントのスケジュールは入札式になっていてシニアな人から好きな日程や目的地を選んでいきます。アメリカの会社には若いアテンダントがいないと信じている人は、クリスマスイブ深夜のデトロイト発グリーンベイ行きに乗りましょう。
アメリカ人クルーが選ぶ日本食ベスト3?
一位 ぎょうざ
二位 やきそば
三位 とんかつ
喫煙者やスピード違反者はメジャーでパイロットになれない?
アメリカの大手航空会社では喫煙者はアル中患者ににも似た扱いを受け、ほとんどの場合100%入社失格になってしまいます。なお、会社のバックグラウンドチェックで以前働いていたすべての会社での業績、大学の成績、借金などのクレジットヒストリー、又自動車交通違反歴などまで調べられます。経験や飛行時間を積むだけではなく身の回りをクリーンにしておくのにも気を使います。
2ヵ所のオペレーションセンターで世界をカバー?
私の勤める会社は、ミネアポリスそして成田にてすべての路線のディスパッチ業務や気象業務をカバーしています。成田のディスパッチャーは日本人の方ばかりで、いつもお世話になっています。



MYTHS
「スチュワーデス」 は禁句?
最近日本でも男女なんとか法ができたみたですが、女性だけの職業ではない客室乗務員を「スチュワーデス」とするのは差別用語になるので、アメリカでは一般大衆でさえこの言葉を使用する人はめったにいません。
消えた座席ベルトサインは、ベルト不要のサイン?
欧米の旅客機では安全ベルトのサインがついていようが消えていようが着席中のベルト装着を促すアナウンスは昔から定着しています。ベルトサイン消灯時にはトイレなど必要がある人は座席を離れてもよいというだけで、着席中は飛行機がゲートに着き、完全に停止しサインが消えるまでの間外さぬよう心がけましょう。
飛行機は自力ではバックできない?
本来リバーサーは、その名の通り逆推力により着陸時の減速に用いられます。これを停止した飛行機に利用すれば必然的に後ろにバックしますが、航空機のまちまちの安全上、運航上、構造上の理由からごく限られた機種のみでしか現実性が無い上に、空港での物理的な制限も多々あり使用可能なゲートも限られます。アメリカでは「パワーバック」と呼ばれ、その使用が認可されている DC-9 や B727 などの日常運航にごく当り前に取り入れられており、轟音をたてながらゲートから離れて行く姿はかなりの見ごたえさえもあります。
「セスナ機」 は禁句?
よく新聞やニュースなのでも小さな単発機は全部セスナ機と呼ばれますが、セスナとは飛行機の製造会社の名前で単発機からビジネスジェットまで作っています。
「エアーポケット」 は禁句?
大気中に真空のスポットがありそこに飛行機が入ると何百メートルも落ちる.......だーあーあ。大気中に真空のスポットはありません。もしあったら、落ちるのは飛行機だけじゃないでしょう。結論から言うと「エアーポケット」と言う言葉は航空界には存在しません。簡単に説明すると飛行機に作用する力はその翼が空気を切る速度とそれを迎える翼の角度によって左右されます。迎え角を一定とすると、翼と比較して空気の速度が上がれば浮力もある上限まで上がります。反対に対気速度が下がれば、失速するまで浮力は落ちます。ですから今まで翼に対してあった空気の動きが何かの理由で変化してその他なにもしなければ、陽力も変化します。この何かの理由というのは、大気の乱れ、又は空気の上下左右の動き等で風と考えれば簡単です。即ち、向風がいきなり弱くなったり追風に変われば、翼にかかる陽力が減り、操縦で迎え角を増やすかエンジン出力を上げなければ飛行機は高度を失います。また、飛行機が下降気流に遭遇した場合、翼に対する空気の速度は変わりませんが迎え角が減り、結果的に効果は同じです。これら一連をウインドシアーと呼び、低い高度で雷雨による強い下降気流と風の変化(マイクロバースト)に遭遇し墜落した事故は過去にもいくつかあります。とにかくよく分からなかった人は海が荒れれば船も揺れるし、大気が乱れれば飛行機も揺れるで済ましてしまいましょう。
パイロットはみんなケチ?
これは本当です。給料が多くなればなるほどケチです。ただ貧乏すぎる私は自分のお金が無いので銀行のお金を使っています。(アメリカの銀行はどんどん貸してくれます。こわい。)



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